God bless you! | こんな視点もいいじゃない。

God bless you!

今年はすげい。
金曜日にイヴをぶつけ、本番を土曜日にしてしまうという
なんて心憎い演出をするんだカレンダー。

というわけで。
え?クリスマスらしいことですか?
そーですねー。
東京ミレナリオでごった返す有楽町の街を
わき目も振らず突っ切って
帝国劇場へミュージカルなんぞを観に
行っちゃったこと
ですかねぇ。


そうなんです。
とうとう帝劇進出ですわ。
なんだこれ?

さんざんウザい程吠えておりますが、
私は「劇団☆新感線」っていう劇団から作り出される
お芝居の世界観が大好きです。
「小劇場」といわれるトコロで、
これでもか!って程、大のオトナが本気で遊んでる、
あの感じをてんこ盛りにしたものを見せてくれる、
あの劇団が大好きです。
(あのあの、ってウルサイ)


一番最初に「小劇場」という言葉が少し霞んで、
「商業演(以下略)・・・?」と思ったのが、
2000年に新橋演舞場で行われた「阿修羅城の瞳」
再演を見たとき。
とはいえ、あの時は今まで足も踏み入れたことのないような
場所に行ける!というドキドキ感と、
実際に作品を観終わった後の感激がものすごく、
「ハコは問題ではない!」とか思ったのが事実。


しかしですよ。

2003年、「阿修羅城の瞳」再々演 in新橋演舞場
2004年春、「髑髏城の七人」(アカドクロ) in新国立劇場
2004年秋、「髑髏城の七人」(アオドクロ) in日生劇場

と来まして。

とうとう昨日、

2004年冬、「SHIROH」  in帝国劇場

なわけですよ。

正直、チケット代は、1枚のお値段でお二人様?ってなもんです。
決して安くはないです。つーか高いです。


ここでおさらいをしましょう。


 しょうげきじょう せうげきぢやう 3 【小劇場】

 商業主義的な大劇場の演劇を否定し、演劇本来の芸術性の追究、
 実験演劇の試演、観客との親和を求めるなどの目的で作られた
 小規模の劇場。
 一九世紀末に起こった改革的演劇運動で採用される。
 また、1960年代半ばから新劇とは別個に次々結成された小規模な
 前衛劇団の総称。

            三省堂提供「大辞林 第二版」より



ファンの皆様、すみません。


新感線は、小劇場ではなくなりました。


ここまで読んで「何をアイツ、好き勝手に言いまくってやんでぇ!」
と思った方。
実は私、否定的なことを言おうと思ってるんじゃないんです。
むしろ、手放しで褒め称えてしまいたい。

どれほどデカイところでやろうと、
どれだけ高い金がかかろうと、
それらを成立させることのできる劇団に
なっちゃったんです、あの劇団は。

正直、毎回観てて身震いがします。
ストーリーがいいだとか、演出がいいだとか、
役者がどうだこうだとか以前に、
すべての空気がピタッとはまる瞬間があるんです。
「あ!だからこの人であり、この役であり、
 この動き、セリフ、歌、音楽であり、
 そしてこの劇場じゃなければダメなんだ!」
って思える瞬間が、ほんの0.1秒くらいなのかもしれないんだけど、
あるんです、そんな「一気に鳥肌ブワッ!」みたいな瞬間が。

そのときに、ほんとに良かったな、と。
チケット取れて良かったな。
来て良かったな。
観れて良かったな。
もっとオーバーなときは、
観ることの出来る目があって良かったな。
「良かったな」と感じることの出来る心があって良かったな。
と。
もう、止まりません。止まれなくなります。


だから、好きなのかもしれません。新感線。


昨日観た「SHIROH」、新感線初の本物ミュージカル、
しかも、ロック・ミュージカルです。
音楽もロックも新感線も、大好きな要素ばかりなのですが、
ただひとつ、ミュージカルが嫌いな私。
理由はタモさんと一緒です。
意味分からん。フツーにしゃべれよ、と。

でもね。
いやー、バカにしたもんじゃないわ、ホント!
「ミュージカル」ってものの概念が、ひょっとしたら
ガラリと変わるかもしれませんよ、タモさん!


主演の中川晃教君。
知ってましたよ、普通に歌うまい人だってことくらい。
でもね、ほんと、なにあれ??
ハンパないです。
生歌があそこまで完璧な人、今まで見たことないです、私。
あそこまで上手いとさー、カラオケとか行った時、
どんな気分なワケー?って思わずつまんない質問をしたい、
という衝動にかられてしまう程。


ほんと、良かった!
そして帝劇をあそこまで程よく汚せるのも
ある意味新感線の力だろうな、と。
ホンモノのミュージカルファンの方々は、ひょっとしたら
ハラワタ煮えくり返っちゃうのかもしれないけど、
でも、それも含めて新感線、愛すべきヤツらですよ!