こんな視点もいいじゃない。 -4ページ目

その一滴が 花咲かすのだろう

お久しぶりです。
意外な程、元気に活動中です。


早いよ最近。時間の進みが。
「時は金なり」とはよくゆーたもんだ。
手で掬ったら、指の隙間から「サラサラ」なんてそんな綺麗なもんじゃなく、
あって声を上げた次の瞬間にはもうドバーって地面に落ちきってるかの如く。


「bluck sun」 も結局行けず終い。
チケット手配も完璧だったのに。許して鹿野さん!
誰だ、「次がある私」 なんつったの。「次の次がある私」に変更しとこう。うん。


なんだか今日は久々ベラベラとしゃべっていたい気分なのでそうします。


仕事が忙しいときは比例してミュージックソースも増える。
とはいえ、音楽性の幅は猫の額ほどですけど。
今日はそんな話でも。



ACIDMAN 「ある証明」

最近、仕事中にヘビロテ。
ついこないだまで、仕事中BGMのトップにいたレミオロメン「モラトリアム」
TRICERATOPS 「THE CAPTAIN」 を一気に押し退けた。
なんとなく仕事中は、このくらいの勢いの曲が一番適してるっぽい。
キーボード打つ指もカタカタカタ~、ってね。


この曲、元々はPVに惚れた。VJラヴ。
ライブでもおもしろいことしてるよね。
ただ如何せん、想像力や思考力が乏しいあたしには、詞がいつも難しい。



SINGER SONGER 「初花凛々」

こういうCoccoもいいなぁ、と。
あたしが一番好きなCoccoの歌い方は「樹海の森」のときのテンション。
「初花凛々」は歌い出しでちょっとそれがふっと思い出されて、そこから一気に引き込まれた。
想像してた音とは違ったのも、なんだかいい裏切りを受けたようで良い。
PVもCoccoはいーじゃなーい♪しかしそれ以外のメンバーに物申したい(笑)
無理に「さわやかさん」になり過ぎじゃないっすか?どーしたいんだ、一体。
むしろ、最後のシーンくらいのテンションでちょうど良し!(笑)
Coccoにアレする岸田氏にはびびったが。



LITTLE 「はつ恋の ~What's Going On~ feat.トータス松本」

スキスキー。
詳しくないからよくわかんないけど、このリリックはすげいのでは?
PV、LITTLEもトータスもピタリと止まってる状態を360度、・・・いや、あれは180~270度くらい?
それをカメラがぐるっと撮ってて
「あー、多分マトリックスと同じ技術なんだろうなー」と思っていたら、
なんと、ぐるっとカメラが回るまでアーティストがずっと静止した状態で撮ってたんだそうな。
今週のsakusaku より)
え?だってそしたらLITTLEのマイクコードがうにゃんってなってるのとか、
どーやって撮ったの!?って思ってたら相方が一言。


「針金入ってんじゃないの?」


・・・ほー。



電気グルーヴ×スチャダラパー 「Twilight」

このメンツが笑顔で並んでいる写真にまず度肝を抜かれる。が、次の瞬間、笑い転げる。
いいねぇー。余裕がある大人って感じ?←そぉか?
しかし、内容は至って真面目。ってどんなん想像してたんだ!?
最近はこの曲を聴きながら、Aメロ・Bメロ・サビのそれぞれの歌い出しで
「・・・アニだ。・・・BOSEだ。・・・卓球だ。」と呟いている相方にほのぼのしたものを感じる。


このシングルを聴いて、更に楽しみになったのがアルバム。
「電気グルーヴとかスチャダラパー」

6月29日発売。
ポイントは『』でしょうな。
「電気グルーヴとスチャダラパー」だったら印象はもっと違ったはず。
「へー。アルバムも出すんだー。ふーん。」で、レンタルして終了だったかも。
たった一文字入って「電気グルーヴとかスチャダラパー」になったことによって
「まーた、大の大人が本気で遊んでるよー!」的なニヤけた感じの印象になるのが良い。
収録曲のタイトルも、


「ANI vs 瀧」
「瀧 vs ANI」


・・・サイコー!



6月発売の新譜といえば、これも楽しみ。
スキマスイッチ 「雨待ち風」

タイトルを見たときに、「おー。GRAPEVINEのカバーか!」と思った。結構本気で。
・・・違うよね。バインの曲は「風待ち」 だ。しかし、似てるよ。


まだ全然聴いたことないんだけど、PVはついこの間解禁になったらしく、
SSとかでは少しずつ流れてるらしい。
コッテコテのバラードみたいです。
うまい戦略するなぁ、とちょっと感心。
「全力少年」でセールスをあげ、その時に興味を持ってくれたリスナーに対して
「うちらこんなんも出来ますけど?」とプレゼンすることによって固定化していこうという作戦。
むかーしむかし、チャゲアスが「SAY YES」で大ヒットした後に、「僕瞳」をリリースした時となんとなく似てる。
ということは、あれだな。
「全力少年」って、はじめから「セールスを上げる」ということを課せられた曲だったんだろな。
今後も安定して活動をするには、というか、今後も自分達が誰にも口出しされることなく好きなことを
やってくためには、一度売れて、世の中に顔・名前・音を浸透させるということが必要で、
今回彼らはその賭けに出て結果としては勝ちを収め、NextStageへ進むべく走り続けているところなんだろう。
いいなぁ。(ってなにが?)



更に、あたし的新譜情報は7月へと進みます。
BUMP OF CHICKEN 「プラネタリウム」

昨年ガッツリ働いた分今年はずっとお休みしてたBUMPがやっと始動です。
どんくらい休んでたんだ?約3ヶ月くらい?一般的な社会人じゃーあり得ん!!
夏フェスも3本出演が決定。
このシングルのカップリング曲、タイトルは「銀河鉄道」
なんだか星づくしな1枚ですね。
「天体観測」を彷彿とさせる感じ。って、曲聴いたわけじゃなく、
あくまでタイトルから受けたイメージの話ですよ!!
この調子だと、アルバム出るのは来年かなー。



ふぅ。

いつまでもいつまでもあなたに 向かって行こうと決めた

確かに朝からそんなに天気は良くなかったけれど、
まぁでも、雨が降るほどでもないだろ。と思って洗濯物を一気に外へ干し、
その後出社。
途中でマックへ寄ってバリューセットを買う。
なんかあれだね。最近のマックはセットも全部500円とかになってて分かり易くなってるのね。
小銭じゃらじゃらやってたら「500円です。」ってお姉さんに言われて、一瞬拍子抜けした。


そして外へ出たら雨が降り出してるんだけど、空は晴れてるままなんだよ。
「あー、これって『狐の嫁入り』ってやつ?」と思いながら、傘もないから
そのまま歩き出したら意外なことにこれが結構気持ち良い。
元々髪の毛が天パだから、こうゆう細かい雨は大嫌いなんだけどなんか気分がいい。
しかしその後、会社着いて数分したら大雨+雷+地震(?)。
良かったよ~。外歩いてるときじゃなくって。って、あ!せ、洗濯物が・・・。



というわけで、一般的な会社さんはお休みな日曜日に出社のコマチです。こんにちは。
自宅で仕事が出来る環境があるにも関わらず、会社へ来ちゃってる理由はただ一つ。
すぐ近くにベッドがある場所だと、そのまま寝倒しかねないため、家から離れなければ!
と思ったわけです。
そのくらい体がヨボヨボ。なんだかロボットのようになっています。
いかに普段、全然運動をしていないかを実感中です。


何があったのかというと、話は金曜日の事。
この日と前日の12日はNHKホールにて、aikoのライブツアー「Love Like Pop Vol.9」
行われていました。
この13日の公演のチケットを幸運にも一般発売でゲットすることが出来たあたしは、
平日だろうが仕事が忙しかろうが、何が何でも行ってやるぜ!と息巻いておりました。


ただ、時期が異常に悪い時期であることは明白で、仕事はまさに最初のデカイ山場を
迎えようとしている時期であることは、今回のプロジェクトのメンバーみんなが
分かり切っていることです。
問題はそこんところ。
一応開発のメンバーを束ねる身としては、そんな中なのに自分の都合だけで遊び呆けて
しまってもいいんだろうか、と葛藤していました。
そして迎えたGW。休み明けからシステムを結合してテストをすることを目標に、
遊びにも行かず、酒もそんなに飲まず、なるべく仕事に集中するよう自分にニンジンぶら下げる
意味でギターを買ってみたり(嘘:完璧なる衝動買い)しながら志気を高めていきました。


しかし、GW明け。
全体を結合してテストをしようにも、パーツがまだ全然出来ていないことが発覚したり、
スケジュール自体が押せ押せな状態であることが発覚したりと、なんだか事態は
思い切りよろしくない状態。
これは・・・と思い、リスケしてみたところ、お客様の元へ持っていく直前まで
線をびっちり引かなくては到底出来そうもない状態であることが明らかになりました。


これには内心、凹みました。
スケジュールを遅れさせてしまったことにではなく、全体のスケジュールを全然把握
出来ていなかった自分自身に対して。
逆を言ったら、「あたしはこの日に用事があるから、あたしは自分の分の仕事を
さっさと頑張って、この日は休むわ!」という考えでしかなかったんじゃないの?自分。
という気持ちになってしまった。
普通に仕事をこなすんならそれでいいんだと思うんです。
でも、下の子達の仕事振りもまとめていかなきゃいけない身としては
それだけの気持ちで仕事をしてたんではダメなことは明らかで、今回の仕事に対する
責任を明らかに軽視していた。


この時点で、自分で自分にいくつか重りをぶら下げ始めたことには
全然気付けていなかったんですね。


その重りに気付かぬまま、とりあえず簡単に言うと「マズイ」状態になってしまったことをリーダーへ報告。
リスケプランを提案して、今後の進め方についてミーティング。
この時点で、「あ、今週の金曜日、半休は取れないな」と自分の中で勝手に確定させていました。
だってそうでしょ。「みんなでマッハで頑張ろうね!」のスケジュールを作っておいて、
「でもあたしはこの日、いなくなるからね」とは言えない。
最悪は定時で抜け出してNHKホールまでダッシュして、終わったら戻ってきて徹夜。
なんてかわいくも何ともない時間の使い方まで考えていました。真剣に。


木曜日の段階で、自分の中で葛藤はしたものの、「やっぱり金曜は定時で上がろう。
その分、土日出社しよう」と思い、リーダーへ「明日は用事があるので定時で上がりますね」
と一言連絡しました。
別に定時後の時間をどう使おうが個人の勝手じゃん。と日頃思っているあたしなので、
あんまりこういう連絡はしない人なのですが、さすがにここんところの仕事状態では
一言入れておいた方がいいかなー、と判断しまして。


そのときはリーダーも「あー、別にいいんじゃない?」的な反応だったんですが、
その後メッセンジャーが飛んできました。
「あれ?明日ってもしかして、ライブじゃないの?だから定時なの?
 だったらせめて半休取りなさい!
と。


実はこのリーダーもaikoが好きで、以前はよく「いやー、『花火』を初めて聴いたときは
ビックリしたよー」なんて言ってたんです。
で、あたしがaiko好きだってことももちろん知ってて、「aikoのライブはすんごいんだけど、
平日が多くて社会人にはそれが難点」というボヤキに対して、よく
「そのために有休があるんだぜ」と言ってくれてた人だったりするんです。


珍しくあたしが「定時で上がります」なんて言ったもんだから、
「あいつがそんなこと言うなんて珍しいなー」と思ったのかどうかは分かりませんが、
それで気を遣って言って下さったことは明白で、
でも確かにその通りなので「違います」と言うわけにもいかず、
「そうです。でも定時で上がってダッシュでいけばなんとか間に合うことはチェック済なので
 半休いただかなくても大丈夫ですよ」
と返信。


しかしリーダーも簡単には食い下がらない。
「ダメ。半休取りなさい。これ命令。ライブはスタートが命です。」とRes。


なのであたしはなかなか言葉とか文字にするのが難しい自分の気持ちを
なんとか言葉にしようと試みたんです。
「そう言って下さるのはありがたいし、本当はそうしたい。
 でもそうしてしまったら自分の立場から見てみんなに申し訳ないという気持ちもあるし、
 自分でそれが最良だとは思えない気持ちもある。だからやるべきことはやってから行きたい。」

みたいな感じのこと。
なんかこんな端的な言葉じゃなかったけれど、そういう主旨のことを思ってたので、
気持ち悪いほど素直にそう返す。


そしたらリーダー、「アホ!何のために俺がおんねん!」的な返事をしてきました。
(注:別に関西の人ではありませんが、ノリ的にそんな感じだったのと、
 こないだの「タイガー&ドラゴン」にやられている為。雰囲気だけでも分かって頂ければ)










「一人で全部抱え込もうとするな。オマエに責任があるとするばらば、それはイコール
 俺の責任だってこと。その俺が判断した結果、半休取れって言ってるんだから
 何も心配することはない。
 ・・・本当は申し訳ないとか気にすることないんだよ。1週間とか10日間くらい休み取っても
 誰も文句言えないくらい日頃頑張ってるんだから。」



こんなこと言われて、泣かない人がいますかっ!?



その途端ですよ。
それまで体中、それに心の中までずっしりと支配していた重りが
ぱぁーっとはがれて取れたような気になったのは。
「今なら何でも出来るような気がする」って本当に思った。
だから「ゲンキンだなー、あたしって」って一言Resしたら
「それは素直って言うんだよとリーダー。



アンタ、どこまであたしを泣かす気???



お言葉に甘えて、金曜日は半休をいただくことが出来ました。
メンバーに「ごめんね、今日半休貰うから・・・」と言って連絡して歩いてたら
みんながみんな口をパクパクして「めっずらしぃーー!」って、コラ。
でも、みんな快く「分かりました。任せて下さい。」って言ってくれたことも
更に嬉しくて、なんかやたら涙が出ちゃうよおネエさんはさ・・・。



みんなのあったかい力のおかげで参戦することが出来た今回のLLP9。
実は一つだけ、知らずに過ごしていたことがありました。。
2005/03/02発売の「夢の中のまっすぐな道」 というアルバムのラストに
「星物語」 という曲があるんですが、この曲、実はラブソングじゃないんだって。
aikoはラブソング書いてナンボだから、これも例に漏れずそうなんだと思ってた。
でも実はこれ、aikoのことを好きだって言ってくれてるファンへ対して、
しかも「みんな」というくくりではなく、一人一人に対して手紙を書きたい!
という気持ちで作った歌だったんだ、ということをMCで言っていて、
それを前提にしてじっくり聴いたら、もうなんだか泣けて泣けてしょうがないくらい
心に響いた。
確かにそう言われると、この曲の歌詞は、初回版のアルバムにはブックレットに記載されていない。
じゃあ、どこにあるかっていうと、これはファンにはおなじみの場所だが、
いわゆる「裏ジャケット」に隠されていて、しかもそれがaikoの手書きで
メッセージが添えられているという心憎い演出になっている。
このライブでのaikoの言葉で、この歌詞を手書きにしてブックレットとは別の場所に置いた意味が
ようやく分かった。
みんなに手紙を書きたかったんだ。
この曲にそんなに思い入れはなかったんだけど、ライブが終わった今でもこの曲を聴く度に
ウルウルしてしまう自分がいます。


そんなこんなで、本当に最高の1日でした。
なんかいろんなものをいろんな人から貰った1日だったなぁ。
この「貰ったもの」を忘れないうちに、自分の中で色あせないうちに、
あたしもいろんな人にパワーを分けてあげられたらいいなぁ。


ま、たまにはこんなピュアなこと言ってもいいじゃない(笑)

セカイを開くのは僕だ

sukima

スキマスイッチ
全力少年
2005.04.20
AUCK-19007

キッカケはたまたま見てしまったPV。

もう、なんでしょう?
「爽やかなこと、この上ないっすわ!」みたいな笑顔とハネ具合で、
同年代として、見てるこっちが逆に恥ずかしくなってしまう程のハジケっぷり。
なのに最強に楽しそうで、なんだかすごく自信が感じられて、
そして何より、今までのあたしの勝手な「スキマスイッチ」というイメージを
見事に綺麗さっぱりと、この「全力少年」 がぶっ壊してくれた。

あたしの中では今まで
「スキマスイッチ」=「良質なしっとりバラード。なのにアフロ。」
別にこれは否定的な感覚だったわけではなくて、
むしろ、「嫌いじゃないぜ!そのテンション」的な、そんな感じ。

その「嫌いじゃないぜ」が、「こーゆーのも全然アリだぜ」に
じっくり変わっていく様が自分の中で分かって、今回はおもしろかった。
なんだか久々、こういうピュアな音(っていう表現はアレなんだけど)に
惹かれていったのが気持ち良くすら感じた。


 試されてまでもここにいることを決めたのに
 呪文のように「仕方ない」とつぶやいていた


「全力少年」の中であたしが一番好きな詞。
この詞がなかったら、もしかしたらここまでスキマに興味を持たなかったかもしれない。
そして、この春というスタートの季節に、敢えてこの詞の世界観をぶつけてきたっていう
根性もステキ。
スルメ要素満載。じわりじわりと好きになってきているような気がします。

映画版「阿修羅城の瞳」

はじめに。

 タイトルだけ観て、これから見に行かれる方は、
 ネタバレばっかりなので、この記事は読まない方が身のためです。
 さらに、興味すらない方には意味不明、もしくは気分が悪くなるかもしれません。
 OKな方だけ、ご覧になって下さい。】


土曜の夜。ネットをしつつテレビを見ていたら、
「阿修羅城の瞳」 の映画版のCMが流れていたのを発見!
わーぉ!忘れてたけど、この映画、今日からじゃん!
そういえば、前に「まぐまぐ」でこの映画のタダ券の懸賞があって
ふらりと応募したらピタリと当たってしまったんです。
それをふと思い出し、慌ててネットで上映映画館を検索したところ、
うちからチャリで10分くらいの映画館でもやってることが判明!
次に、その映画館の「阿修羅城の瞳」のタイムテーブルをサーチした
ところ、最後の上映が24:30。ただ今の時間、24:00。
ヨユーで間に合う!ということで、タダ券を抱えてチャリンコで
家を飛び出しました。

「この作品は一体何なの?」とお思いの方にさくっとご説明しますと、
元々は私の大好きな劇団である「劇団☆新感線」 が再々演までした作品。
再演から主役の病葉出門(わくらばいずも と読む)役に市川染五郎氏を迎えて、
新橋演舞場で2000年と2003年に上演。
その作品を、「陰陽師」の滝田洋二郎監督が今回映画化にしたというもの。
ストーリーに関しては、公式サイトを見てもらった方が話が何倍も早いので
興味を持たれた方はどうぞ。という感じだけれど、実はこの作品、
私が新感線を見始めて、初めて感動して涙してしまった物語だったりする。

新感線の舞台には大きく分けて2種類の作品が存在する。
一つが「オポンチもの」と呼ばれる、とにかく笑わせることだけが目的に
創られた作品。あれでもかこれでもか、と有り得ないことやギャグのてんこ盛りで
観客はそのバカバカしさにただ笑うのみ。終わってから、ストーリーは一切
覚えていないという、ある意味恐ろしい舞台(って言い過ぎ)。
そしてもう一つが「いのうえ歌舞伎」と呼ばれる、シリアス路線のアクションもの。
シリアスとはいえ、もちろん新感線らしい笑いも随所に散りばめられていて、
退屈するヒマは一切なし。この「いのうえ歌舞伎」を観た染五郎氏が、
「これこそ現代の歌舞伎だ!」と言い、新感線にハマる、という経緯を持つ。

で、あたしが一番最初に観た新感線作品が、いわゆる「オポンチもの」だった。
そしてその次に観たのも「オポンチもの」。しかも、記念祭的に楽しいやつだったため、
あたしの中では「新感線ってサイコーにおもしれーじゃん!!」的な印象が濃かった。
絶対に笑える。しかもかなりおかしい・おいしい。そういう作品を作ってるところ、という印象。

しかしそれを見事に破り、というか、いい意味で裏切り、感動とスピード感という印象も

しっかりと植え付けられたのが、初めて観た「いのうえ歌舞伎」である「阿修羅城の瞳2000」
花道もろくに見えないような2階席の奥だったけど、ラストは涙で滲んだことや、
何気ないセリフ・シーンまで、未だに憶えている。

そういった意味では、ある種の思い入れが強いこの作品。
舞台と同じ染五郎氏主演で、相手となる「つばき」役に宮沢りえさんを迎え映画化される
という話を聞いてから、「絶対に舞台と比較しない!」と決め込んで、映画館へ足を運んだ。
舞台と映画はそもそも全くの別物である。同じ話だからといって比較なぞ出来るわけがない。
そう思っている。思っているんだけど、あーーー、全っ然ダメだぁーーーー・・・・


最初から最後まで、とことん比較して観てる自分がいました。


しかもダメ出しばっかり。オマエ、どこの演出家だ!と自分で思ってしまう程。
途中からは「いいところを探そう!」とおかしな見方になってしまったり。

この物語の核となるのは、染五郎扮する出雲と、宮沢りえ扮するつばきの恋。
ただのラブラブな恋じゃなく、出雲に恋をしたために鬼になってしまったという
つばきの悲恋。プラス、鬼対人の憎しみとか、人が心の奥底に持つ鬼な部分とか、
いろんな要素がてんこ盛りにされ過ぎてるんです。
あの舞台上ではそれが可能。無理矢理な部分はあるけれども、スピード感があることによって
観ていて息つくヒマもない程。それが映像になることによって、気持ちが何にも伝わらないわ、
中だるみしっぱなしだわ・・・。
つばきに至っては、鬼になってから、鬼というよりも菩薩様のようでした。
三蔵法師とか、そっち側?とにかく穏やかになっちゃって。
もともとつばきは鬼として産み落とされ、人の姿を借りて、鬼の王である阿修羅へ転生する

のをただひたすら待っていたのだから、本来の姿になれて良かったと思ってるんじゃなかろうか?

とまで裏読みしてしまう程。
これには、宮沢りえが綺麗過ぎたっていうのもあったのかもしれない。

そしてもう1人重要な役柄が、鬼に魂を売ってまで、出雲を倒したいと思っている邪空という役。
人一倍強く、冷酷な男。ただ1人、どうしても勝てないのが出雲。
故に出雲への憎しみが積もり積もって、阿修羅の力を手に入れてまで出雲を殺したいと思う男。
この役が、この映画ではなんと、渡部篤郎さん。
この配役を聞いてから、相方と「史上最弱の邪空」を想像してモノマネしたりしてましたが
(失礼過ぎる)、ほんとにその通りになってしまっていることに驚きを隠せませんでした。
阿修羅の力を手に入れたいと思っている背景も、ほぼ不明な感じ。
ただ初めて聞いた「阿修羅」という言葉に興味を持って、「ねぇ、なーに?
あしゅらってなーに?」と聞いてるだけ、みたいな感じに見えてしまう。
出雲の事を殺したい程憎い、と思ってることや、そのことに対する執着心みたいなものも
とってもあっさりしていて、ただいい所でいい場所にいる、出雲と鬼にまとわり着く男、
みたくなってて本当に残念。

舞台上ではこの邪空、自分の男性としてのシンボルを切っちゃうんですよ。
そこまでして阿修羅の力が欲しい、と。男を捨てて、人を捨ててまで、阿修羅の力を
手に入れたい。そして、俺よりちょっとだけ強いあいつを殺したい。そうすれば俺が

一番強い男だ!と。
そういう強い想いを、自らを断ち切ることで表現する。そしてそれを見て、阿修羅転生前の
鬼のリーダー役である美惨という鬼(映画では樋口可南子さん)が、邪空の信念を認め、
人でいながら自分たちの仲間として行動を共にさせる、というシーンがあるのだけれど、
映画じゃさすがに切っちゃうシーンなんて流せないからか、その部分がカット。
故に、邪空があっさり鬼の仲間になっちゃって、「あららら?」と拍子抜け。

もうもうもーーーぅ!
ほんとはもっともっと言いたいことがヤマのようになってて、昨日から相方と
口を開けばその話ばっかり。
いいところもあったんだよ!出雲の鬼帝時代の話をストーリーとして観れたのは
良かったし、四世南北にまとわりついてる小劇場コンビ(笑・大倉孝二と皆川猿時)の
クスッ笑わせる芝居や空気感とか、何よりも染五郎の出雲は流石。
舞台と寸分違わぬ出雲がスクリーン上にいたことに驚きと共に安心感が得られ、
「ああ、出雲は役じゃないんだ。1人の人なんだ。」と思わずにいられなかった。
舞台の演出は、劇団☆新感線の演出家・いのうえひでのり氏。
そして、映画の監督は、滝田洋二郎監督。
お分かりのように、違う人達が作った作品でありながら、出雲という男は、
そのどちらでも同じ人間だったんです。
「そうそう、これが出雲だよ!」と再確認し、思わず笑顔になるほど。


しかし、これはあたしがこの作品を事前に知り過ぎていたため、こんな感想に
なっているのかもしれない、とも思う。
新感線や、阿修羅城の話なんて知らない人が観たら、また別の感想になるのかな、と
思っていて、それは非常に興味がある。
というか、そういう方達は、まずあの荒唐無稽な話が理解できるんだろうか、とか、
そういうことを心配してしまう。それに、あの、過度なSFXに辟易しちゃいそう。
滝田監督のSFXは、「陰陽師」で多少免疫が付いていたといえ、この映画も最初っから
「オイ!」と突っ込みたくなることしばしばだったので、気持ちは非常に分かりますが。
もし、トラックバック用とかで検索してこの記事がヒットした方にそんな方がいらっしゃれば、
一言教えていただけると嬉しいし有り難いです。


【参考Bookmark】
 阿修羅城の瞳オフィシャルブログ
 http://ashurajo.at.webry.info/

耳の奥では、まだあの日が鳴っている。

「小岩はリトルロックシティ。音楽だけじゃなく、治安もね(笑)」
と言ったのはマブダチのシノだった。
確かに治安までひっくるめてロックしてる。その表現はうなづける。
別に自分が特別な被害に合っているわけでもないのに、小岩・新小岩
近辺は「ぜってー治安が良いとは言えねー」オーラをびしびしと感じる。
江戸川挟んで千葉県側に入っちゃうと、一気に平和モードになっちゃう
のにね。全く不思議。あ、とはいえ、市川って「オヤジ狩り」発祥の地だっけ?

まぁいいや。

ちょっとローカリーで申し訳ない。とにかく小岩。リトルロックシティ。
治安のロックさ加減に危うく騙されるところだったけれど、音楽に関し
ては果たしてそうなの?と、後からふと思っていた。
「小岩+NO MUSIC,NO LIFE.=中村一義」の公式しか頭に浮かばないあたし
は、シノの言葉の真意を確認するべく、4月9日(土)晴天の小春日和の中、
小岩に降り立った。

「DIE LIKE DOGS」Vol.18
小岩eM SEVEN で行われるエルカホン presentsのLive。
このエルカホンってバンドが、そもそもシノの身内バンドで、
3/25に1st Mini AlbumI GOT A REVENGE』(ATCR-6901 \1,365in tax)
が全国発売されたことによるレコ発ライブだった。

なもんで、事の発端はシノからのお誘いで、同じく短大の頃からのマブダチ・
ミッチーにも声をかけ、3人で小岩へ集合し、軽く遊んでから行こうか!と
いうプランを練り上げた。
・・・今にして思えば、これが大きな過ちだった。
いや、正確に言えば、あたしが勝手に大きな過ちを犯してしまった。
プラン自体は最高だ。大正解だった。短大の頃の仲間、フルメンバー
じゃないけれど、大好きなヤツらと久しぶりに集合できる。それだけで
正直興奮していた。正直、「ライブへ行く」という事がメインではなく、
「仲間と会う」ということがメインとなっていた。
その上、ライブに関しても「観に行く」ではなく、「観に行ってあげる」
の感覚になっていた。最高に失礼な態度。ライブに対してそんな半端な態度
で望んだ証拠として、ミュールでライブハウスへ足を踏み入れてしまったのである。

ライブへ行き慣れてる方ならご理解いただけるでしょう、この暴挙。
普段、あたしもスニーカー以外でライブハウスやホールへ来る女性を見ては
「・・・えーっとさぁ・・・」と呆れた気持ちで思ってたタイプである。
ニット関係の服装で来ちゃう人も同様。だったら、一番後ろで観ていて下さい、

と思ってしまう。
なのに、この日は迷うことなくミュールで出掛けた。
明らかに、ライブをメインに考えた行動ではなく、仲間と会うことがメイン、
そしてライブを観に行ってあげるというオマケつきがある、というような
感覚だったということが自分でもとてもよく分かる。


でも、ライブはもちろんそんなことはお構い無しにスタートする。18:30。
まずはMCがほど良く会場を暖めようと登場。ワンマン以外のライブだと、
最近多いよね、こういう演出。前説ってやつだね。
なので1組目から、オーディエンス側が乗りやすくなるっていう効果がある。

その1組目が、シスターマロニエ 。メインVo.&Gt.が女性の4ピースバンド。
B.の男性もサブでVo.を行い、その女性と男性の掛け合いが心地良い、
ツインボーカルのバンド。
メインVo.の女性が小柄なのに、とてもパワフルな声にまず圧倒される。
声がとてもよく通る。ボーカリストにとって、これは大きな武器だ。
個人的に女の子がギターをかき鳴らす様、というのがとても好きなあたしは、
彼女の声だけではなく、その様もとても気持ち良かった。あたしなんかより
も全然小柄なのに、めちゃくちゃかっこいい。その姿に一気に楽しくなる。

2組目が始まる前に、後ろ側へ場所を移した。これにはワケがある。
ミッチーは過去、耳の病気を患ったことがあり、大きな音には自信がない。
しかし、一番最初に陣取っていた場所がPAスピーカーのまん前。
彼女自身、これはマズイと思っての判断だったのだろう。
そんな彼女もボーカリスト。もちろん、耳は一番大事な器官だ。
ただ、このハコの大きさだとどこで聴いても音は一緒だ。
音が耳の許容する以上の音。
実は、いわゆる「音が割れてる」という状態は、プロが音を操っている限りは、
ほとんどないのが実情である。両手で抱えても持ちきれない程の大きさ以上

のスピーカーなら、「音が割れる」程の大きさの音量を出力する前に、人間の

耳がその音についていけなくなる。実はただそれだけの事なのだ。

そのくらい、人間の耳という器官はあまり頑丈にはできていなかったりする。

2組目はThe silhouettes
こちらはDr.×B.×Gt.&Vo.のシンプルな構成の3ピース。
そしてこちらはB.が女性。これがまたしても、とんでもなくかっこ良かった。
B.を持ってない普通の状態でも、モデルさん並みに最高のスタイル。
背は高く、手足は長く、スレンダーな美人さん。それがB.という武器を手に、
何人もいるオーディエンスにもまったく怯むことなく自分のやるべき事を成す。
そしてこの人は、自分の魅せ方というものを本当によく知っているようだった。
この曲の、このフレーズのときは、どう弾けば自分がかっこよくみえるのか、
どうパフォーマンスすれば、客が「お!」と思って盛り上がってくれるのか。
それをしっかりと自分で把握している。そんな余裕さえ感じられた。
だから、嫌でも目がそれを追ってしまう。彼女のパフォーマンスを漏らすまいと
観てしまう。パフォーマーにとって、一番大切な要素を持っている。

このくらいから、フロア側もどんどん温度が上がっていく。
そして子供の姿も増える。ん?子供??
そうです。ライブハウスで1歳半と3歳の男の子と会うとはまさか思わなかった。
1歳半の男の子のママは、シノの妹のミワちゃん。短大の頃からシノから
話は聞いてたし、写真で顔も知ってたけれど、お互い会うのはこれが初めて。
美人姉妹なわけですよ、これが。そしてその息子のアキトくんも、これまた
かわいいのなんのって!ほっぺた食べたかったよ、お姉さんは!
もう1人の3歳の男の子のママは、シノの会社の同僚の方。お会いした感じは
とっても若くてかわいい方なのに、3歳の息子さんがいることに少しの驚き。
この3歳の天使、ユウヤくんもとっても愛嬌があってかわいいのなんのって!
全然人見知りしないし、ずーっと笑顔で、ママと一緒にいられることを心の
底から喜んでるような感じ。そして、ガンガン音がなっているこの状況にも
臆することなく、むしろ体をリズムに合わせて揺らしたり、拳をガンガン
突き上げる等の勘の良さを披露。若干3歳にして、これは頼もしい。
でも、ひょっとしたらそれって逆なのかもな。子供達の方が素直なんだ。
聞こえてきた音、見えている光景に対して、素直に体で表現してるだけ。
ただそれだけなんだろう。大人はいつの間にか、自由な表現を忘れてるのかも
しれないな、なんて、子供達を見ながらボケーっと思った。

3組目はTHE WORLD APARTMENT HORROR 。通称ワルアパ?
ここらへんから一気にフロアのテンションもアップ!途中でモッシュが発生!
危ない!何がって、子供達が。子供をモッシュから守りながらライブを観る。
そんなのはもちろん初体験だ。
でも、ここら辺から一気に例のミュールで着ちゃった事を後悔するハメに
なってる自分がムクムクと頭をもたげて来ることになる。
このバンド、ステージングが非常に上手い。自分達のスタイルを楽しみつつ、
とてもスマートに客をノせる。その手口にうまく騙されない自分が少し嫌に
なる。ロックを目の前に、ロックできない自分が嫌になる。

そして4組目。shout moskva (しゃうと・もすくわ と読むらしい)。
実はこのバンドは、シノが事前にあたしに対して推してくれていたイケメン
バンドだったりする。なので、興味津々であたしもステージを見守る。
でも、あたしがこのバンドに惹かれたのは、イケメン振りだけではなかった。
途中で下手側(客席からステージへ向かって左側)のギターのストラップが
壊れて、外れてしまうというトラブルが発生。それが曲の途中だったため、
その曲が終わるまで、Gt.はストラップなしで引き続けることになってしまった。
これ、結構大変だ。腹筋がないと辛い。
しかし、その曲が終わって、曲間にVo.がMCをしている間にスタッフが直そう
としてもなかなか直らない。Vo.はなかなか次の曲が始められない状況に
対して、「トラブルを楽しむこともロック」と、その心境を素直に言葉にし始めた。
あたしがこのバンドに惹かれたのは、このVo.の素直でまっすぐな言葉だった。
トラブルは起きてはいけない。それが一番いいに越したことはない。
しかし、突如、予想もできないようなことが起きてしまうのがトラブル。
それをどう乗り切るか。トラブルをトラブルと感じさせずに曲を弾ききった
Gt.にも拍手だし、トラブルが起きてる現状を逆手にとってオーディエンスを
盛り上げたVo.にも拍手だ。幸い、ストラップもなんとか直って、曲を再開した
彼らに、フロア側もVo.の言葉に共鳴したかのように今まで以上により盛り上がった。
なんだか、やっとステージとフロアが一つになった様を見る事ができた。

そしてラスト。とうとう今回の企画の主役、エルカホンが登場である。
フロアも最高潮。モッシュが止まらない。
今回初めて聴くエルカホンの音は、予想通り、というか、予想以上に
男らしい、武骨なロックだった。リズム隊がしっかり大黒柱として機能し、
Gt.がその大黒柱を生かすようなデザインを、いくつにも形を変えて魅せ
ていく。3人のメンバーがみんな、小さな頃からの友達だからなのかもし
れないが、今まで観たどのバンドよりも息がぴったり合っていた。

途中、Vo.のマサルがMCで放った言葉。「確かな理想、確固たる信念は
現実を底上げする」。よく、「強く想えば夢は叶う」というけれど、
それって余りにも漠然としてて具体性がないじゃん。と思ってたあたしが、
ちょっと形を変えただけなのかもしれないこの言葉に、なんだか強く
納得させられた。将来、こんなことをやりたい。こんな人になりたい。
そう想って、それに向かって走ることは、今のこの時の自分をどんどん
高めていってくれる。なんでも目指してやる。なぜなら、目指すという
行為自体が、自分をその位置へ導いてくれるから。漠然としてると思って
いた言葉が、しっかりとカラーでよく見えるようになったような気分だ。
彼らなら、出来るかもしれない、と思った。彼らが望んでいることを現実
のものと出来るかもしれない、と。

きっとエルカホンは細く長く続くバンドだ。同姓にものすごくウケのいい
アーティストはみんなそうだから、というだけの理由で判断してしまって
申し訳ないが、そう感じた。
フロアでモッシュを繰り返し、一緒に拳を上げ、大声で歌っていた人は
圧倒的に男性が多かった。ものすごく熱かった。しかし、エルカホンは
それに負けず、むしろそのパワーをすべて吸収し、音楽という形にして
還元していってるようにすら思えた。
彼らは魔法使いだ。エルカホンだけではない。この日出演した全バンドも
そうだし、世界中で頑張って輝いているアーティストみんなに対して、
いつもあたしが思っていること。音楽を創り、形にし、その魔法で
聴いている人達を楽しくさせたり、感動させたり、時には気持ちを救ったり
することができる。ライブに至っては、その場にいる大勢の心を一つに
したり、その時だけしか創れないものを創り上げたりする。あたしは
そんな魔法使い達が大好きだ。そして、その魔法にかかることも大好きだ。
この夜、あたしは確かに、エルカホンのロックの魔法にかかっていた。
すげぇ楽しかった。だからこそ、前半からしつこく言ってるミュールの
存在が疎ましくて仕方なかった。


ライブ終了後、帰ると言ったあたしに対し、忙しく物販で働いていたシノは
「打ち上げ出てよ!」と誘ってくれた。でも、正直、早く帰ってこのレビュー
が書きたくなっていたことと、その打ち上げはあたしが出るべきではない、
という気持ちから、今回は辞退させていただいた。
今日のこのライブの打ち上げは、汗をかいた彼らのものだ。アーティスト側も
オーディエンス側も、キラキラの汗をかいた、あの人達のものだ。その人達が
冷え冷えのビールを飲む資格があり、その人達が「うまいっ!」と実感する
べきだ。残念ながら、今夜のあたしにはその資格はないと、自分で思っていた。
しかし、帰り道に「でも、そのキラキラの顔を見ながら飲むビールもうまかった
かもな」と、ちょびっとだけ後悔してたことは、未だ誰にも秘密だ。

次は参戦するよ。いつもライブの時の相棒である赤いスニーカーを履いてさ。

週末日記 その2

なんか、書いてたら勝手に楽しくなってきた。
ちなみに以下の内容、興味のない方には全くおもしろくないと
思います。ごめんなさい。


■日曜日

 アラームがうるさくて、止めて再度寝る。
 しかし、気付くと昼の12時50分。
 「ぎゃっ!」と軽くビビって遅い朝。

 そうです!
 本日より、2005年F1グランプリがスタートなんです!!
 2年前からいきなりF1好きになってしまった私。
 最初は「ただ車がぎゅんぎゅん言いながらグルグル走ってる
 だけでしょー?」と思っていたものの、いろんな色が重なり
 あっている中で、潔い赤一色だけのフェラーリに目が釘付け
 になってしまったのが事の始まり。
 特に、皇帝シューマッハよりも、断然、2ndドライバーの
 バリチェロの職人芸に深く肩入れするようになってしまう。
 いやぁ、あの人、プロやわぁ・・・。
 「史上最強のNo.2」という言い方をよくされるけれど、
 本当にその通りだと思う。自分のやるべき仕事というものを
 走りながら常に察知している。
 1stドライバーのシューマッハが調子のいいときは、
 2位について後続の車を押さえることに徹底し、
 シューマッハの調子が悪いときは、なんとかして赤を表彰台に
 上げるため、誰よりも早く走る。
 去年のグランプリの最初から中盤くらいまでは
 「彼を見習え!琢磨」とよく辛口なことを思っていた。

 開幕戦はオーストラリアということで、昼の13時からフジテレビ
 で放送。
 予選の情報をまったく仕入れていなかったため、ポールポジション
 が誰、とか、フェラーリ+琢磨が何位からスタートとか、全く知ら
 ない状態だった。
 なので、フォーメーションラップを見たときに、唖然・・・。
 バリチェロは12位、琢磨は19位、皇帝シューマッハですら、琢磨の
 一つ前の18位からのスタート。おいおいおい・・・、一体コレは
 どーしちゃったの?というのが正直な感想だった。
 昨今のF1では「赤(=フェラーリ)が早くて当たり前」という感じが
 ある。なのでみんな、赤を封じるために車を替え、タイヤを替え、
 エンジンを替え、必死な思いで努力した結果を見たかのような思い
 があった。
 フェラーリがNewシャーシを発表したのはつい最近。まだまだテスト
 中の段階である。そのため、フェラーリだけが去年と同じ車体での
 参加となった。
 その結果が如実に現れたかのようなフォーメーションラップだった。
 
 と。
 そんなことは頭では分かっていても、自分が肩入れしてるチームが
 後続からスタートとあっては、トーゼンおもしろくない。
 軽くブーブー言いながら、スタートを見守る。

 レースは驚きの連続だった。
 というのも、今年からレギュレーションが大幅に変更されたのである。
 レース中にピットインしてやることの中に、ガソリンの注入とタイヤ
 の交換がある。ほかにもいろいろあるけれど、大抵のピットインで
 この2つは必ず行われる。しかし、今年のレースより、タイヤの交換が
 不可となってしまった。
 しかも、エンジンも予選から変えちゃダメ。変えたら、例えポールを
 取っても、最後尾からのスタート、と、かなり厳しいものになって
 しまっていた。
 それもこれも、すべて、対フェラーリであることは明確である。
 全くもう。
 しかし、そんな中でも大きな混乱もなく、リタイアする車もたった
 の3台という素晴らしい結果に終わった。ただ一つ、そのリタイア
 した車の1台が、皇帝シューマッハだった、ということを除けば・・・。

 18位からスタートしたシューマッハは一時期8位という、
 ポイント圏内にまで浮上した。そこからガンガン抜き去ろうとしてた
 矢先に、追い越したばかりの車と接触してコースアウト。
 そこで止まってしまった。「これで終わりかぁ」と思ったが
 しかし!皇帝は諦めなかった。「俺の車を押せ!」とスタッフを
 呼び、コースまで戻って、平然と走り出してしまったのである。
 接触して一緒にコースアウトした車のドライバー(ウィリアムズの
 ハイドフェルド)はさっさと車を降りてしまったというのに、だ。
 これには正直、ゾクゾクするものを感じた。
 自分も車も大丈夫なうちは、決して諦めない。そうして勝ってこそ、
 本当に強いものという証である。彼が皇帝と呼ばれる本当の所以
 みたいなものを見た気がした。

 と、思ってたのに!

 次の周で、彼はピットへ入り、そのままガレージへ車を収めて
 しまった。
 ちょっとーー!!あたしのゾクゾクを返してよー!マジでーーー・・・。

 まぁ、しょうがない。素人には分からない、いろいろな理由が
 あるんだろうな。
 と、こうなってくると、俄然、「史上最強のNo.2」へ視線が集まる。

 ビックリした。
 フェラーリの2ndドライバーであるバリチェロは、すでに2位まで浮上
 していたのである。
 12位からのスタートで、知らないうちに2位。
 別に派手な追い越しも、派手なアクションも、何にもしていないのに、
 ヒタヒタと前の車に追いつき、あっさりとかわし、みんなが気付かない
 うちにめちゃくちゃ前の方にいたのである。
 
 これが、あたしの大好きなバリチェロの凄さだ。

 もちろん、そのままゴールイン。
 単純に考えて、車を10台追い越し、表彰台へ登ってしまった。
 それと共に驚きだったのが、バリチェロをサンドイッチした1位と
 3位が去年の後半からグングンと調子を上げてきたルノーの2台だった
 ということ。
 去年はフェラーリとホンダの争い的な感じになってきていたけれど、
 その間にルノーがひたひたと力をつけてきていた。それがここに来て、
 というか、今日の開幕戦で一気に実ったかのような姿を見せられた。
 
 今年は去年以上に楽しめそうだ。
 そんな手応えを感じた2時間だった。

確かな君に会いたい

テレビ東京「JAPAN COUNT DOWN」
今夜のゲストとして出演していたYUKI が言っていた一言。

「日本人、30代、女性、という中で、幸せなアーティスト
 ベスト10に入る自信がある。これは過言じゃないと思う。」


これを恥ずかしげにではなく、堂々と言ってのける彼女が
カッコイイなと素直に思った。
「家庭も仕事も、こんなに楽しくてこんなに幸福」と言って
いる笑顔が、本当にそうなんだろうなということを物語って
たし、やっぱりそういう気持ちに満たされてる人って顔もそ
うだけど、雰囲気っていうのかな、オーラみたいなものも違
うよね。「かわいい」だけの人じゃない、と昔から思ってた
けど、やっぱり「かわいいだけの人じゃない!」と再確認し
た今日。

ニューアルバム「joy」 (2005.02.23 ESCL-2634)
今日見た彼女の幸福で楽しい生活から生まれた気持ちがぎゅっ
と詰まってる1枚なんだろうなと思ったら、急に音が聴きたく
なった。

明日、気持ちよく晴れたら、彼女のパワーを買いに行こう。

昨日まで選ばれなかった僕らでも 明日を待ってる

100s
OZ
2005.01.13
TOCT-25583



あまりにも大道過ぎることなので、
書こうか書くまいかちょっと悩んだんだけど・・・。








今更、ほんっと今更で申し訳ないが、
一言言わせていただきたい。


100s「OZ」 、最高じゃないですか。


いろんな人が「イイヨイイヨ!」って言っているのは
もちろん知っていて、でも、中村一義がなぜ100sを
立ち上げたのか、とか、前提条件をなんにも知らない
状態だったので(というか、気付いたら中村一義が
100sになってた。これはビックリした。)、なかなか
手を出せずにいた1枚。

でも、そんな前提条件とかナントカっていうつまらないことは
音楽には全く無関係なシロモノなんですよね。
自分の耳で聴いてみなければ、何も始まらないっていうのに、
何を気難しく頭デッカチに考えていたんだ?あたしは。

2曲目の「A」で、すでに8割方ノックアウトな状態だったので、
そこから一気に夢中でむさぼった。
(っつーか、「A」がシングルカットされていた ことすら
オイラ知らなかったよ!)
またさ、ブックレットがいーのよ、これが!←おばちゃん風に
ブックレットだけで一つの心地良い世界がちゃんと創られている。
これには頭の下がる思いでした。

「ファーストにして、すでにベスト!」
この言葉は、このアルバムのオビについていたキャッチコピー。
お店でCDを手に取って見た瞬間、「な、なんてベタな!」って
思いましたよ、正直、ええ。ポイントとなるドモリ付きでね。

しかし、百聞は一見にしかず。
この場合は、一聴にしかず。

この1枚は、紛れもなく、ファーストにしてすでにベストでした。
ベスト盤ということではなくて、ベスト・クオリティーでした。
胸張って良し!と言いたくなる1枚。随分と偉そうですけど。


本当は聴くまでずっと構えてたってのが事実です。
人に影響されやすいあたしは、事前情報として「良い」と言われてい
たものが、自分の中で「普通」のランクにまで落ちることはあっても、
「悪い」になることまではそうそうないから。
だから、このアルバムもほんのちょろっと聴いただけで「良い!」に
なることがうすうす分かっていたので、聴く前に相当覚悟を決めて、
・・・というとなんか大袈裟だな。とりあえず一回目は無表情は気持ちで
聴こう、と思いながら聴いた。


簡単に言ってしまえば、それは無理な結果でした。


だって、いいんだもん。
いいものは、誰が何と言ってようが、やっぱりいいんだもん。
途中から、曲が変わるごとに、どんどんワクワクしてる自分
がいるのがはっきりと分かって、「無表情」を装うなんて
無理でした。

多分、これは前評判として「悪い」と聴いてても、あたしは
「コレ、いいじゃん!すごいじゃん!」と単純に思ったに
違いない。そのくらい、シンプルに「良かった」。


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100sと一緒に実はもう1枚、アルバムを購入。
これも、ほんとーーーに今更ながらですが。

「シンクロナイズド・ロッカーズ」

知ってる人はとことん知ってる、the pillows の15周年トリビュート
アルバム。
この件については、以前にも一度記事を書いている ように、なかなか
「手に入れる」という選択が出来ずにいた。

その一番の大きな理由は、やっぱり内緒にしておくけど、
その次の理由として、BUMP がカバーした「ハイブリッド レインボウ」
ばかりを賞賛し、それだけをエンドレス・リピートし兼ねない自分が
簡単に想像できてしまったから、というのがあった。

でも、「OZ」を先に聴いて「いいものは「いい!」で、いいじゃん。」
と再確認してしまったあたしは、1度聴いてダダ漏れ状態になってしまう
「良い!!」の気持ちを止めることがなぜ出来る??な状態になってし
まい。

はっきりさらっと言ってのけます。
「ハイブリッド レインボウ」のみ、本家よりもトリビュートのが良いです。
好きです!
すいません!!

でも、すべて総合して聴いた結果、恐れていた「BUMPのみリピート」には
なりませんでした。そりゃトーゼンよね。あれだけのアーティスト達の
「pillowsの事なら誰にも負けない!」のパワーがギュッと詰まってんだもん。


もっともっと早く出逢っていたかった2枚。
でもきっと時間は問題じゃない。早く聴けてりゃ偉いってワケじゃない。
大事なのは、自分にとって良いと思うことの出来るものと出逢えたか
どうか。

今、あたしの中で最強の2枚です。

恵比寿に集まったパワーと次がある私。

行ってきましたよ!「HOLIDAY INN BLACK」
チケもないのにさ。
でも、リキッドルーム の2階部分には
フリーで入れるとのことだったので、
MusicLoverが思いっきり楽しめる休日という舞台は
どんな仕掛けになっているんだろう、という興味だけで
友人ミッチーとのこのこ恵比寿へ参上。

リキッドへ着いた時間が14:45。
パーティーが始まる予定時間が15:00。
にも関わらず、まだ「チケット番号200番台の方~」
なんて言ってるスタッフの声が・・・。
そう、客の入りが予想以上に手間取っているようで、せっかく
そろそろフリマのお店をゆっくり見て周れるかな、ぐらいの
時間に行ったにも関わらず、人の波が引くまでしばらく待つことに。

2階には一般公募により採用された方によるフリーマケットが
ところ狭しと展開されていた。
店舗がもっとたくさんあったら、もっともっと盛り上がっただろうな、
と思ったけれど、場所的にもあのくらいの店舗数がMaxなんだろうな。
ちなみに一般からの店舗は10店舗。
どのお店も個性的な店舗で、ロック祭の舞台を彩るには
ふさわしいマーケットばかりだと思った。
売ってる人達の顔もいきいきしてるというか、
心からその場の空気をきちんと楽しみつつ、
自分を削って創り出したもの達を愛しそうに、
それでいて、自信満々に「手にとって見て下さい」と言っていた
その顔がどれもこれも素敵な笑顔だったのがすごく印象的だった。

写真はそのうちの1店舗より購入した、写真と詩がドッキングされた
小冊子。ものすごく小さい。5cm四方といったところかなぁ。
そのマーケットは、とても素敵な写真のポストカードが狭いながらも
しっかりと自己主張をしているような空間で、
その中でもひときわ小さなこの小冊子が
ひときわ大きな存在感を放っていた。
3冊積み上げられていたそれは、聞けば売っている方本人が、
自分で写真を撮り、自分で文を書き、
そして自分で製本をされたとのこと。
「3冊が精一杯でした」と言われていたのがすごく心に残った。
この人はこの子達を生み出すのにどれだけ大変な想いをしたんだろう。
多分、そんなことを考えるよりも先に、その小冊子を手にとっていた
私は「いくら?」とその人に尋ねた。
返って来た答えは、かなり意外なもので、
「いくらでもいいです。買いたいと思った値段で買って下さい」
という答え。
これには正直困った。
物を作り出して形にしていく作業の大変さを知っているだけに、
しかも、それがすべて本人の手作業による賜物なだけに、
とても他人のあたしが値段を付けられるわけがない!と思ったからだ。
でも、この小冊子をどうしてもうちに連れて帰りたくなっている自分もいた。
なので、とりあえず小銭をかき集めて、コミック1冊よりは
若干高め程度の金額を無理矢理渡してしまった。
その方、著者の山口えり さんは、少し驚いた顔で
「こんなにいいんですか?」と言われていたけれど、
逆です逆。
こんなんですみませんです。

もう1店舗、自分で書いた詩と撮った写真で詩集を創り、
販売している店舗があった。
狭い場所も非常に立体的に上手く使って、来てくれた人達を
飽きさせないような空間を作っていたそのマーケットは
恐らく今回のマーケットの中では、一番、来てくれた人と
コミュニケートしよう!という気持ちが現れていたような気がした。
個人的には妙にその空間が心地よくて、失礼なことに
詩集を買いもしないくせに、いろいろな詩や写真を
ぼーっと眺めるために、そこにお邪魔させていただいていた。
でも、スタッフさんも嫌な顔せず、逆にミルキーまでいただいて
しまって、非常に恐縮でした。ご馳走様でした。
ちなみに、詩集を制作された沢素直さんの作品は、
このサイト
でも拝見することができます。


どのマーケットもすべてそうだったのだが、
やはり何かを自分でクリエイトしていく人達のパワーはすごい。
そのパワーがうごめいている2階に負けず劣らず、
今頃1階フロアでは最高のエネルギーの交歓が行われているんだろうな
と思うと、正直、すぐ側にいるのに、そのエネルギーに
触れることの出来ない自分に多少の苛立ちと、
そして触れることの出来る人達へ微かな嫉妬を覚えた。
そんなとき、壁に貼られていたフライヤーに目が止まった。


「next HOLIDAY INN BLACK 2005.05.22」


そこには、そう書かれていたのである。
「次がある」のだ。
「ミッチー、あたし、次、絶対チケット取るわ」と
ぼそっとつぶやいたあたしに、
「任せたよ。付き合うよ!」と言ってくれたミッチーの
くしゃくしゃの笑顔がかなり嬉しかった。


鹿野さん が最高に大変な想いをして準備してくれた
ロック馬鹿のための最高の空間。
その5分の1程度しか今回は堪能できなかったんだろうけど、
確実に言えることは、あたし、この空間が好きだ!
ということ。
1階フロアを覗かなくても、それは分かった。
次は、1階へ行く。

楽しみが増えたよ。


P.S.
シンちゃんも空けておくように!業務命令。

毎日が昨日の様だったのに 何を焦っていたの?

aiko
三国駅
2005.02.16
PCCA-02203



というわけで、本日発売です。
昨晩、一足早くゲットできたので、早速今朝拝聴。



勝手に涙がボロッボロこぼれてくんの。
なにこれ?どーなってんの?あたし。


今までのaikoの最高傑作、あたしの中では
「カブトムシ」 がダントツだった。
でも、そのランクがあっさりと更新。
ほんと、どうしてこんな曲がかけるんだろう・・・。



関連記事。
「aiko新曲「三国駅」発売で駅を占拠」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050216-00000010-sks-ent

実際にある大阪の三国という駅構内の壁という壁に
aikoのポスターやらパネルやらを100枚、貼りまくって
占拠した模様。
そんなことなんて何にも知らない通勤のお父さん達、
今朝、どんだけビックリしたことでしょう。
ううー、見てみたいよー、その光景。うずうず。


追記
やりました!
このシングルから、なんと、CCCDではなくなりました!
ポニーキャニオン、あーりーがーとーーー!!!
はー。良かった。